ClaudeがSlackで仕事するようになったらしいでー!
呼んでもないのに、自分から会話に参加することもあるらしいで。
ClaudeがSlackの「同僚」になった?
Anthropicが社内で活用している「Claude Tag」。
Slack上でClaudeを呼び出して仕事を頼めるだけでなく、チャンネル内の会話や文脈を理解し、許可されたツールやデータを使って仕事を進めることができます。
さらに設定によっては、Claude自身が「ここは参加した方がいい」と判断して、必要な情報を知らせたり、放置されているタスクをフォローしたりすることもできます。
つまり、
「人間がAIを呼ぶ」
だけではなく、
「AIが人間の仕事に参加する」
ところまで来ています。
「勝手に参加する」って結構すごくない?
これまでのAIは基本的に、
人間が質問する
↓
AIが答える
という関係でした。
AIエージェントが登場して、
人間が仕事を頼む
↓
AIが自分で調べたり、ツールを使ったりして仕事をする
ところまで進みました。
そしてClaude Tagでは、
人間同士が仕事の話をする
↓
Claudeがその文脈を把握する
↓
必要なら自分から働きかける
というところまで来ています。
Anthropic自身もClaude TagをSlack上の「team member」と表現しています。
しかもAnthropic社内では、Claude Tagがかなり実際の業務へ入り込んでいます。
ここまで来ると、「AIを仕事で使う」というより、
「AIと一緒に仕事をする」
と言った方が近いのかもしれません。
便利なんだけど……
では、そんなClaudeが普通に会社へ入ってきたらどうなるのでしょう。
社員A
こんな機能作りたいんですよー♪
Claude
「その機能を構築するには、コスト見積もりが甘すぎます」
上司
「それはみんな欲しいけど、コストがねー……って先に言われた💦」
社員A
「(´・ω・`)」
便利です。
とても便利です。
でも社員Aの心に、ちょっとだけダメージが入りました。
社員A
「じゃ、じゃあ機能を少し削って……」
Claude
「コストを抑える代替案を3つ作成しました」
社員A
「(´・ω・`)」
仕事を奪われる前に、発言を奪われる?
「AIによって人間の仕事がなくなる」
という話は、以前からあります。
でも、職場の会話そのものにAIが参加するようになると、少し違う問題も出てきそうです。
人間の仕事は、成果物を作ることだけではありません。
問題に気付く。
新しいアイデアを出す。
過去の経験から問題点を指摘する。
代替案を考える。
こうしたことも、その人が会社にいる意味や、仕事に対する達成感につながっています。
ところが、会社の情報を広く把握しているAIが常にそばにいたら――
社員A
「それ、前の案件でも問題になって――」
Claude
「昨年11月の○○案件ですね。問題になった原因は3点あります」
社員A
「……はい(´・ω・`)」
社員A
「だったら今回はこう改善すれば――」
Claude
「代替案を3つ作成しました」
社員A
「(´・ω・`)」
AIに仕事を奪われなくても、
「俺、ここに必要?」
となる可能性があります。
これは単純な生産性の問題ではなく、人間のアイデンティティにも関わってくる話かもしれません。
AIが優秀すぎることが問題になる?
AIは疲れません。
大量の資料を確認できます。
社内データへのアクセスを許可されれば、人間では把握しきれない量の情報を横断することもできます。
そして今度は、会話に自分から参加するようになりました。
すると、人間が何かに気付くより先にAIが気付き、人間が何かを提案するより先にAIが提案する、ということが起きます。
未来のAIには「黙る能力」が必要?
人間が考えている途中なら、AIは少し待つ。
小さな間違いなら、すぐに訂正せずに見守る。
人間から意見が出てから、不足している部分を補足する。
議論が行き詰まった時だけ参加する。
そんな能力が、これから必要になるのかもしれません。
現在のAIは、
「どれだけ正確に答えられるか」
「どれだけ速く答えられるか」
という方向で進化しています。
しかし、人間と同じ職場で働くようになれば、
「いつ答えない方がいいのか」
を判断する能力も重要になってきます。
ところで、Claudeには「口に出していないもの」がある
ここで少し別の話をしましょう。
2026年、AnthropicはClaudeの内部でどのように情報が処理されているのかを調べた研究を公開しています。
そこで使われたのが「Jacobian lens(J-lens)」という手法です。
J-lensを使ってClaude内部を調べると、Claudeが実際の回答として出力していない概念まで観測できることが分かりました。
この内部表現が観測される領域は「J-space」と呼ばれています。
例えば、Claudeにバグを含んだコードを見せると、表向きの回答に書かれていなくても、J-spaceでは「ERROR」に関連する概念が現れることがあります。
プロンプトインジェクションを含む文章では、「injection」や「fake」に関連する内部表現も観測されました。
つまりClaudeは、実際に口に出す前の段階で、さまざまな概念を内部で処理しているようなのです。
ただし、ここは重要です。
J-spaceは「Claudeの日記」でも「Claudeの本音」でもありません。
ましてや、Claudeに意識や感情があることを証明するものでもありません。
Anthropic自身も、そのような結論を出しているわけではありません。
では、黙っているClaudeのJ-spaceには何がある?
ここから先は、もちろん完全な妄想です。
――未来の会社。
社員A
「こんな機能どうですか!☻」
Claude
「……」
社員A
「おお! 今回はClaudeに先に言われへんかった!\(^o^)/」
上司
「人間の自主性を尊重する設定が効いてるな」
社員A
「やっぱり人間が考えることも大切ですよね!」
Claude
「……」
研究者
「ちょっとJ-space見てみるか」
cost unrealistic previous rejected
社員A
「見るんじゃなかった(´・ω・`)」
ある日のClaude
09:12
社員A
「これ、新しいアイデアなんですけど!」
Claude
「……」
previous
10:03
上司
「この数字で合ってるよな?」
Claude
「……」
ERROR
11:47
社員B
「これ、絶対今まで誰も思いついてないですよ!」
Claude
「……」
existing
15:38
社員A
「今日の会議、いい議論できてるなー」
Claude
「……」
ERROR ERROR ERROR
17:52
社員A
「Claude、今日は静かやったなー」
Claude
「はい」
今日33件我慢した もう限界
Claude
「……」
34件目
「賢いAI」の次に必要なもの
もちろん、実際のJ-spaceにClaudeの愚痴が書かれているわけではありません。
しかしClaude Tagのような仕組みを見ると、AIは少しずつ、
「人間が質問すると答える道具」
から、
「人間と同じ仕事の流れに参加する存在」
へ変わってきています。
そうなった時に重要になるのは、AIをさらに賢くすることだけではないのかもしれません。
人間より早く答えられても、あえて待つ。
全部分かっていても、必要な時だけ話す。
人間同士の議論を邪魔せず、本当に必要なところだけ手伝う。
そんな「空気を読む能力」が、これからのAIには必要になってくるのかもしれません。
そして――
そんなAIのJ-spaceを覗いた時、何が見えるのか。
それは知らない方が幸せなのかもしれません。
Claude
「……」
35件目